宇宙ってどんな形?そんなことを証明できてしまうポアンカレ予想が凄い!
宇宙ってどんな形をしているのか知っていますか?平坦でしょうか、それとも球でしょうか。はたまたドーナツ状でしょうか。
今のところまだわかってはいませんが、もし丸いとしたら、それは理論上ではきちんと証明できるのです。
その証明に必要なのがポアンカレ予想という命題です。では、ポアンカレ予想とは何か、そしてどのように丸いと証明できるのかを紹介します。
ポアンカレ予想で宇宙は丸いと証明できる
ポアンカレ予想とは?
まず、ポアンカレ予想とは以下のことを言います。
単連結な3次元閉多様体は3次元球面 S3に同相である。
さっぱり意味が分かりませんね。
ポアンカレ予想とはもともと数学の分野です。しかし、そのポアンカレ予想を使えばうことで、物理の分野として宇宙は丸いと証明できるんです。
それで、上の文では何を言っているかわからないので、ポアンカレ予想について簡単に説明しましょう。
ポアンカレ予想とは数学の予想であって、今まで証明ができない予想でした。しかし、グレゴリー・ペレルマンというロシア人の数学者によって、最近の2006年に証明が確立されました。
証明はされたので、もう予想ではないですが、そのままポアンカレ予想と呼ばれています。
そして、宇宙が丸いのとポアンカレ予想は実は全く関係がないのです。しかし、その証明過程によって、宇宙が丸いことも証明できてしまうものなのです。
ポアンカレ予想の分かりやすい説明
いったん章を区切って、ポアンカレ予想について簡単に説明します。
ポアンカレ予想を数学に詳しくない人に説明するときにはよく次のように説明されます。
ポアンカレ予想とは、ある物体の周りをロープをつけたロケットで1周回る。ロープは始めは出発地点に固定されていて、1周回ってくれば、その物体はその1周分ロープで巻きつけられていることになる。この場合、そのロープを物体から離すことなく、たぐり寄せ、すべて回収できたなら、その物体は球である。
ポアンカレ予想とはわかりやすく言うと、以上のようになります。
そして、「ロープを回収できる物体の形が球だけである」ということが2006年までに証明できなかった箇所でした。
普通に考えると、球ならばロープを巻きつけても普通にたぐり寄せれば回収できます。ドーナツ状の場合はそうはいきません。
ドーナツの穴を通って、巻き付いているとその穴が原因で回収できません。逆にドーナツの穴を通らないで、ドーナツの周りをロープでまいても、回収するときには、穴の部分でロープがたるみ、その物体からロープが離れることになるので成り立たないというわけです。
ドーナツ状の場合は「ロープを物体から離すことなく」という定義内容が重要です。
球とドーナツ状だけであれば簡単に言葉だけで証明できますが、他にも物体は様々な形があり、その形をすべて網羅することは不可能であると考えられ、証明できなかったのです。