世界中の全ての人と友達になれる!?六次の隔たりがとてもおもしろい!(2/3ページ)

ミルグラムのスモールワールド実験

イェール大学の心理学者であるスタンレー・ミルグラムは以下のような実験をしました。

ネブラスカ州オマハの住人160人を無作為に選び、「同封した写真の人物はボストン在住の株式仲買人です。この顔と名前の人物をご存知でしたらその人の元へこの手紙をお送り下さい。この人を知らない場合は貴方の住所氏名を書き加えた上で、貴方の友人の中で知っていそうな人にこの手紙を送って下さい」という文面の手紙をそれぞれに送った。その結果42通(26.25%)が実際に届き、42通が届くまでに経た人数の平均は5.83人であった。

以上のような内容と結果であって、この実験は届いた人数が全体の26.25%という割合に多少の問題があると言われていますが、それらが届くまでの平均は5.83人であり、ほぼ6人であったので、六次の隔たりは正しいということになります。

日本の社会学者の実験

日本の社会学者もミルグラムと同じように検証しようとしました。その内容と結果は以下のようになっています。

九州を起点として「北海道の知人を紹介してください。もしいなければ、北海道に知人がいそうな人を紹介してください」と人々に尋ね回った。その結果北海道の人間に辿り着くまでの平均人数は7人であった。コロンビア大学の教授ダンカン・ワッツらが電子メールで同様の実験を行った際は、到達率2%、理論的な仲介人数は5~7人であった。

この実験においても、6人に近い数字となっており、六次の隔たりは成立します。

バラエティ番組での検証

日本のバラエティ番組でも検証されました。内容と結果は以下の通りです。

日本のあるバラエティ番組で、「与那国島の日本最西端の地で最初に出会った人に友人を紹介してもらい、何人目で明石家さんまに辿り着くか」という企画が行われたことがある。結果は7人であった。

この場合も7人という6人に近い数字なのでやはり六次の隔たりは成立します。

mixiのエンジニアによる検証

六次の隔たりは、ソーシャルネットワークの概念で、SNSに非常に関連があり、人が多数集まるSNSでも同じ現象が確認されるだろうと言われています。

そこで、SNSサービスのmixiのエンジニアがmixiユーザーのマイミクシィのつながりによって、六次の隔たりを検証し、以下のような結果となりました。

まず試しに、筆者のmixi IDから残りの各ユーザ(2008年1月時点でmixi全体で約1300万人)までの最短距離(マイミクシィをたどった回数)を求めて、各距離ごとのユーザ数の分布を求めてみました。

(中略)

距離が6で全体の95.7%、距離が7では98.2%のユーザをカバーできており、ほとんどのユーザに6、7人経由する以内で到達できていることが分かります。また平均距離は5.1になりました。まだ平均クラスタ係数は求めていませんが、筆者のIDで試した限りではスモールワールド性が成り立ちそうな期待が持てます。

(中略)

またユーザによってマイミクシィの数はさまざまですので、その差異が少なくなるようにランダムに選択したユーザ1000人(1000人では少ないかもしれないのですが…)で同様に各距離の到達ユーザ数を調べ、その平均を求めるようにしました。

(中略)

距離が6では88%、距離が7の段階で98%のユーザに到達できています。平均最短距離は5.4となり、平均して6人程度という非常に少ない人数を介するだけで、他のユーザにたどり着けることが分かります。

(中略)

mixi上のマイミクシィネットワークを使用して、スモールワールド性について調査しました。その結果ユーザ間の平均距離は5.4、平均クラスタ係数は0.2となり、スモールワールド性が成り立ちそうであることが分かりました。

以上のような結果となりました。長くて読むのがだるい人は、結果だけでいいです。結果は7人で98%のユーザーとつながることができるという結果で、六次の隔たりがmixi上でも成り立つということが検証されました。

以上、六次の隔たりの実験を例をいくつかあげましたが、どれも6に近い数字で、六次の隔たりが現実でも当てはまるということが証明されました。