おもしろすぎる!!考え出すと止まらなくなってしまうパラドックス10選(2/3ページ)

4.抜き打ちテストのパラドックス

私はこれが一番おもしろいと思いました。では、以下に内容をまとめてみます。

ある日の金曜日、高校で数学の先生が来週抜き打ちテストをやると発表しました。

もちろん生徒からはブーイングの嵐でしたが、Aさんだけは余裕な顔で聞いていました。

Aさんが余裕だったのはとりわけ数学ができるからというわけではありません。Aさんは抜き打ちテストに関して次のようなことを考えていました。

「来週の金曜日にテストがあったなら、木曜日まではないことになり、木曜日には金曜日がテスト日だと予測できてしまうので、金曜日に抜き打ちテストはない」

「こう考えると、金曜日は除外される。すると、木曜日にテストをやるとしたら、それも水曜日までやらないことになり、水曜日の時点で予測できてしまうので、木曜日も抜き打ちテストはない」

Aさんはこのような考えを繰り返し、結果的に金曜日はあり得ないから、木曜日もあり得ない。木曜日もあり得ないから水曜日もない。水曜日もないから、火曜日もなく、同じ理由で月曜日もないと考えました。

そして、最終的に「抜き打ちテストなどありえない」と結論付けました。

―――来週の木曜日になりました―――

先生が抜き打ちテストをやるといいました。

そこで、Aさんは上記の自分の考えを先生に言って、「この抜き打ちテストはおかしい。抜き打ちテストではないのだから、テストはやるべきではない」と主張しました。

すると先生はこう言いました。

「抜き打ちテストはないと思っていた時に抜き打ちテストがあるのだから、結果としてあなたが予想できていなかったことになるので、このテストは抜き打ちテストとして成立します。」

これを聞いたAさんは唖然として、しぶしぶテストを受けたのでありました。

結構面白い話ですよね。落語なんかにありそうなオチです。

これはAさんが考えたことは正しいですが、結果として予想できなかったことになるので、先生の方が正しくなると解釈できますね。

裏をかいたつもりが、かかされたみたいな感じですね。

5.嘘つきのパラドックス

これも結構有名ではないでしょうか。クレタ島の話が有名ですね。ですけど、今回はもっと簡単な例にします。

「この文章は嘘である」という文章があります。

この文章が嘘であるのだから、この文章は「正しい」ものになります。

よって、この文章は正しいのだから「この文章は嘘である」は正しくなり、この文章は「嘘」になります。

嘘であるというなら、「この文章は嘘」ではないので、この文章は「正しい」ものになります。

以下同じ事の繰り返しです。

これはもう頭のなかで考えがぐるぐる回ってしまいますね。

解決法としては、その文章と、それが指しているものを区別することです。

「この文章は嘘である」という文章自体は嘘ではなく正しいもので、「この文章」と示されている文章が嘘ということになります。

普通は「この文章は嘘である」だけ書くなんてありえないでから。

少し、現実的になってしまいましたが、もし書かれている内容や示している文章が「この文章は嘘である」という文章であるなら、それは矛盾を起こすので、意味がないただの文字列として認識するしかないでしょう。

6.親殺しのパラドックス

タイムパラドックスなどとも呼ばれ、比較的有名なものです。以下の内容となります。

タイムマシンで過去に行って、自分が生まれる前の親を殺すことはできるのか

詳しい内容としては、現在自分は存在していて、生きているのだから、過去に行って自分の親を殺すことはできる。

しかし、殺してしまえば、自分は生まれてこないことになり、親を殺しに行く自分がそもそも存在しないから、殺すことはできない。

しかし、今、自分は生きているのだから殺すことはできる。

まあ、ループ系の内容です。

解決法としては、親を殺したことを前提として、親を殺すことができたのだからは自分は存在している。

それによって生じる、本来生まれてくるはずの自分が生まれてこないという事象は、親を殺した時点で、別の世界が生まれ、そちらの世界で起きているという考えです。

要はパラレルワールドですね。こうするしか説明の仕様がありません。

7.探求のパラドックス

探求のパラドックスは探求をするという時点で、探求の対象が分からなければ探求できない。探求しようとしているならば、その対象はすでに分かっているので探求の必要はないというパラドックスです。

これは単なる言葉遊びですね。

探求の目的は対象の認識ではなく、対象の存在を発見することであって、上の文では対象の認識しか問題にしていないのでしょう。

たとえば、ツチノコを探すとします。ツチノコという認識はあります、しかし、存在は確かめていないので探しに行きますという具合です。

こうすれば、探求は成立し、上の文章は誤りとなります。